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かつては「飲みニケーション」などと言って、会社の上司・部下、先輩・後輩が連れ立って居酒屋で語り合うなどという風景がよくみられました。これも普段の不満の解消や、考え方の共有といった意味で人事施策だったといえるのでしょう。

そうした「飲みニケーション」が減少傾向にあるなか、地ビール大手、ヤッホーブルーイング(長野県軽井沢町)では、「ヤッホー盛り上げ隊」というユニークな名前を持った部署が人事業務を担当し、通常の人事総務に加え社員のやる気を高めるイベントを実施することで同じような目的を果たそうとしています。

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同社は1996年の設立以来「インドの青鬼」「水曜日のネコ」「僕ビール、君ビール」などユニークなネーミングのバラエティ豊かなクラフトビールを生み出す一方、「インターナル・ビア・コンペティション」で8年連続金賞を受賞するなど数々の賞を獲得しビールの味についても高い評価を得ています。

「ビールに味を!人生に幸せを!」をキャッチフレーズにする同社は「社員が仕事を楽しめなければ顧客に喜ばれる製品は生まれない」との考えから、新入社員の不安や不満を聞き出す座談会の開催や、営業や生産など部門に分かれ働く100人を超える社員の交流を図るためにトーク番組風の動画を作成するなどし、モラールを向上させたうえで新製品のアイデアを生み出す風土を作り出しています。

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国内の人口が減少する中、同社の戦略として今後は海外展開を強めていく方向も考えられます。そのためには積極的な外国人登用も必要とされ、部署間のみならず国や文化を超えた交流がますます重要な意味を持つようになるでしょう。

日本経済新聞 9月20日(火)付 朝刊より
http://www.nikkei.com/article/DGKKZO07416480Z10C16A9TQ4000/