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今や、どこも人手不足なのだそうです。私の学生時代はどちらかと言うと就職が厳しい時代だったので何とも実感がわかないのですが、そうらしいです。特に介護業界は、仕事も大変でなり手が少ないのが実情のようです。実家へ帰ると介護業界で働く兄がよく愚痴をこぼしています。

そんな中、異業種から参入した大阪のベンチャー企業が、介護人材不足という問題に挑もうとしています。

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スマイル・プラス(大阪市)社長の伊藤一彦氏は、IT業界からの転身組。知人の介護事業を買収するも現場スタッフの負担の大きさを目の当たりにし、レクリエーション専門人材ビジネスを思いついたそうです。介護の経験がなくてもレクリエーションならできるという人を対象にした「レクリエーション介護士」という民間資格を立ち上げ、スタッフの登用拡大を図ろうとしています。資格取得者は、現在1万人を超え、2年後には現在の5倍以上の売り上げを目指しています。

また、笑美面の榎並将志氏は、自身の持つ不動産仲介業のノウハウを生かして「老人ホームの仲介業」を立ち上げたそうです。スタッフが不動産屋の営業よろしく、入居者のニーズを聞きそれぞれに合う老人ホームを紹介します。そのスタッフにLGBT(性的マイノリティ)の人々も採用して、従来ケアマネージャが行っていたマッチング業務を補完しています。

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資格が取得できることや、マイノリティとしての自分が受けられることで、従業員の尊厳や自己実現が保証されているのが両者の特徴と言えます。働く意欲を高め、結果として介護に関わる人材のすそ野を広げることに一役買っています。

日本経済新聞 7月28日(木)付 朝刊より
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO05344960X20C16A7LDA000/