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3月は、古民家のリノベーションに2回ほど参加してきました。私には左官や大工の心得はないにもかかわらず、見よう見まねでなんとかこなしてきました。いわゆるDIYにボランティアで参加してきた形です。

2回とも近隣に住む家族や学生、さまざまな人が集まってきて壁塗りや床の張替えに参加していました。潤沢な資金や人材といった資源に乏しい地方のリノベーションにおいてはこうしたボランティアによるDIYがよく行われます。

ボランティア活動においては特に報酬が出るわけでもないのに、多くの人が参加してなおかつ統率がみだれることなく作業も進んでいくのはなぜなのでしょうか。

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アメリカの行動学者ハーシーとブランチャードはリーダーシップのあり方としてSL理論というものを打ち立て、フォロワーの状態によって最適なリーダーの行動が異なることを唱えました。SL理論によれば、場合によってはフォロワーの自主性に任せあえてリーダーは何もしないということもあり得ます。しかし、それはフォロワーの能力が極めて高い場合において成立するとされ、専門性の低い人たちが集まるボランティア活動では当てはまりません。

一方で、ボランティア活動が成立するには次の4つの原則があるということが、最近提唱されるようになりました。

「自主性・主体性」・・・誰かに強制されることなく自ら進んで参加すること
「社会性・連帯性」・・・課題に対して協力し合い解決にあたること
「創造性・開拓性」・・・課題に対して自由な発想でしくみを創りだしていくこと
「無償性・無給性」・・・報酬を求めないこと

活動が有償で実施される場合は、報酬が自主性や主体性を呼び起こす動機ともなりえます。しかし無償の場合は、報酬ではなくそれ以上に強い共通の課題認識が動機となっていると考えられます。

リノベーションでDIYに多くの人が参加するのは、地域の人口が減り賑わいを取り戻さなければならないという課題意識が共通認識としてあるからです。

そしてフォロワーの能力は「社会性・連帯性」による協力体制と「創造性・開拓性」によるイノベーションによって補われ、自主的な活動が成立します。

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近年では時代の変化が速くなり、有償・無償を問わず「創造性・開拓性」が求められる課題が多くなっています。次世代のリーダーに求められるのは報酬による動機付けよりも、課題設定を明確にし「社会性・連帯性」「創造性・開拓性」を発揮できる土壌を作り上げ、「自主性・主体性」を呼び起こすことなのではないでしょうか。