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これからやってくる超高齢化社会。自分の親世代の介護ももちろん大変になることが予想されますが、私には子どももいなく自分自身が要介護になったときに誰が面倒を見てくれるのか、お金もないので想像するに切実な問題です。

特別養護老人ホームは、そうした低所得者向けの要介護高齢者を受け入れる公的な施設です。しかし、その競争率は30倍。そう簡単には入れそうにありません。

特別養護老人ホームに入れなかった人の受け皿となっているのがサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)と呼ばれるもので、バリアフリーの住宅に住みながら介護サービスを受けることができるというもの。家賃は10万円程度が平均だそうですが、8万円以下の物件もあるようです。

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日本経済新聞が調べたところによると、サ高住のうち家賃が低い物件ほど重度の要介護3以上の住人の割合が増えるのだそうです。これは、介護サービスを手掛ける事業者が低価格で入居してもらう代わりに自社のサービスを利用してもらうように促していることに起因するとのこと。

介護サービス対する介護報酬は、利用者が1~3割を負担し残りは税金が負担しています。事業者としては介護するする人の人件費を賄うために必要であるとしているものの、介護報酬を目当てにしている面も否めないようです。

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日本国憲法は、国民の生存権を保障し「健康的で文化的な最低限度の生活」を営めるように、国に対して適切な施策をとるように定めています。象徴的な制度が生活保護です。

生活保護についても、その対象者を住宅に住まわせ生活保護費の一部を徴収するビジネスモデルがありました。このビジネスにおいては生活保護費の不正受給の温床になっており「貧困ビジネス」として非難を浴びました。

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こうした貧困対策が、必要とする人にいきわたらず、制度を利用する事業者の手に渡るのは本筋ではありません。適切な運用がされているのかどうかチェックすることも、大切な税金を無駄にしないために必要です。

日本国憲法
第25条1項 すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
   2項 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

日本経済新聞 2019年2月3日(日)付 朝刊より
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO40813420R00C19A2SHA000/