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とても優秀な能力を持っている人材であっても、大企業など大きな組織に勤めていると、組織の方針や上司のやり方に従わなければならない場面も多々あり、その能力を十分に発揮できていない場合があります。その結果、能力の高い人材が集まっている割にパフォーマンスが発揮できないといったことが起こります。

野球なんかでも、スター選手をかき集めて打線を組んでいるのにあまり点が入らずに負けてしまう、なんてことがしばしばおこりますよね。

このような上下関係が明確で上意下達型の組織を「ヒエラルキー組織」と呼びます。これに対し、意思決定をチームや個人に任せ、上下関係を作らない組織を「ホラクラシー組織」と呼び、上司も部下もなくフラットな関係を保ちながら経営を行う企業が出てきています。

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「ホラクラシー組織」のメリットは、意思決定をチームや個人に任せることで、現場の感覚により近い課題解決法が採用され、環境の変化にも柔軟に対応できることにあります。

「ホラクラシー組織」を成り立たせる条件として、財務状況や企業秘密に及ぶものまで意思決定に必要な情報がメンバー全員に共有されていることが求められます。情報の偏りこそが人間関係の上下を作り出し、「忖度」や「ご機嫌取り」といった非合理的な理由で意思決定がなされてしまうからです。

ここのところ不祥事が頻発している中央省庁でも「ホラクラシー組織」の形態がとられていれば、このようなことにはならなかったかもしれません。(現実的には、ちょっと難しそうですが・・・)

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目下のところ、「ホラクラシー組織」の形態をとるのはIT系のスタートアップ企業等が多くクリエイティブなアイデアを必要とする企業には向いているようです。実際には、「組織の拡大が難しい」「機密情報の漏えいのリスクがある」「給与の決め方が難しい」などの課題もあり、そう簡単には取り入れられる組織形態ではないかもしれません。

でも、柔軟なアイデアが必要な場面ではできるだけ分け隔てなく情報共有をする、と言うことが必要になることは間違いなさそうです。

日本経済新聞 9月11日(火)付 朝刊より
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO35198720Q8A910C1TJ1000/