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ドンキホーテの渋谷本店の店頭にはなぜか大きな水槽があり、色とりどりの魚が客を出迎えてくれます。そういえば道頓堀のドンキホーテの屋上には観覧車が出来、一時期話題を呼んだものです。まったくもっていろんなことを仕掛けてくる店です。

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12月下旬に関東圏に出来る新業態の店舗では、スマホを使った接客が特徴になるようです。顔認証で個人を特定しお薦め商品を提示したり、商品をスマホにかざすと使用例の動画が見られるなどスマホを持ち歩きながら買い物をしやすくする仕掛けを多数取り入れるとのこと。

こうしたアプリを開発する場合、ECサイトを立ち上げたうえでそれと連動させるのが一般的です。しかし、ドンキホーテの場合ECサイトに連動させるどころか、肝心のECサイトは今年の5月に閉店してしまいました。アマゾンなどの競合より出遅れ、収益化が出来なかったことが原因でした。わずか5年間での決断です。

ドンキホーテはこのほかにも2017年2月にオープンした神田神保町靖国通り店をわずか8か月で閉店してしまいました。とあるメディアが行った社長インタビューによると開店から2週間で失敗であることに気づき、閉店の即断をしたとのことです。

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これだけ短期間に決断をくだせるのは、非常に短期間で損益を計算できる仕組みを備えているからであると考えられます。年に一度、会計ソフトを立ち上げて決算書を作っているようではとても間に合いません。

ユニークで大胆な店づくりに挑めるのもこうした仕組みがあってのことではないかと思われます。おもろいことをやってやろう、と言う気概を実現させるためにはまず会計から。と言うことですね。

日本経済新聞 8月14日(火)付 朝刊より
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO34116940T10C18A8TJ2000/