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昨晩は帰りが遅くなり、土曜の朝はゆっくり起きようと決めていたのに、目の前で工事が始まった。朝の8時だ。先日取り壊した家の跡地を掘り返し、新しい家を建てるための基礎工事でも行っているのだろうか。雨の中ご苦労なことだが、せっかくの休日が台無しだ・・・

そんな愚痴はさておき、どうも日本は新築の家にこだわり過ぎである。英国の新築着工数は年間16万戸であるのに対し、日本は100万戸もあるのだそうだ。このことが、中古物件の流通を阻み高齢世帯が亡くなったあとの空き家を作りやすくしている。

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65歳以上の高齢者だけが住む戸建て・マンションの持ち家は、東京・名古屋・大阪の三大都市圏で336万戸。持ち家全体の2割近くに達し、これらがすべて空き家になると5軒に1軒が空き家になってしまう計算だ。

それでも対策がないわけではない。空き家の有効活用だ。長野県諏訪市にある古材販売業のリビルディングセンター・ジャパンでは、古くなった家の建材をかき集め、それらを使い他の古民家をリノベーションする活動を進めている。

こうした活動が全国にも広まれば古い家の価値が見直され、街の住人の新陳代謝も高まり空き家率の上昇を抑えることができるのではないかと思う。

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新婚でアパートを借り、子どもができた頃に夢のマイホームを買う。そうした理想を追いかけた世代の持ち家が今、空き家になる可能性が高いのだそうだ。

私もそんな人生に憧れをいだいた時期もあったが、それとは程遠い生き方をしてきてしまった。そもそもそんな価値観は一時の儚いものだったのではないかと思う。・・と、また愚痴っぽくなってきてしまった。工事も雨で収まったみたいだし、また昼寝でもするか。

日本経済新聞 6月23日(土)付 朝刊より
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO32104920S8A620C1MM8000/