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先週のNHK大河ドラマ「西郷どん」では、西郷隆盛が奄美大島に流されてからの物語が繰り広げられていました。~西郷が収監されている村の長老が、隣村の告発により砂糖隠しの疑いをかけられ薩摩の役人に捕えられてしまう。~その中でそんなくだりがありました。

長老の砂糖隠しは実は役人によるでっち上げだったのですが、隣村でも同様の冤罪をかけたうえで、長老がやったことにすれば罪を軽くする、というような取引がなされたものと想像されます。

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組織犯罪の捜査を行いやすくする目的で、自分の罪を認める代わりに有利な取り扱いを受けられるようにする司法取引が6月1日から導入されます。しかし、これには前述の「西郷どん」のように無実の人を巻き込む危険があることが指摘されています。

そのため最高検察庁は、国民の理解を得られるか、裏付け証拠が十分に得られるかなどを考慮に入れた上で司法取引を検討する必要があるとの考えを示しています。

日本国憲法38条3項では、自白のみの証拠により有罪とし刑罰を加えることを禁止しています。ただし、共犯者の自白がそのまま証拠になるかについては議論が分かれています。

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昨今、関係者の内部告発によって組織的な不正や犯罪が明るみに出るケースが多くなってきました。司法取引を導入することによって、より当事者からの情報提供を行いやすくするインセンティブが働く一方、冤罪を生まないようにする工夫が求められます。

日本国憲法
第38条1項 何人も、自己に不利益な供述を強要されない。
   2項 強制、拷問もしくは脅迫による自白又は不当に長く拘留若しくは拘禁された後の自白は、これを証拠とすることができない。
   3項 何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない。

日本経済新聞 5月27日(日)付 朝刊より