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私が今の会社に入社したときには伊豆に保養所があり、両親を一度連れていったことがあります。温泉付きで料理も本格的で父母とも満足してくれていました。しかし、経費削減の流れの中、数年前に手放してしまい今では行くことができなくなってしまいました。

しかし、昨今は人手不足が深刻化し、人材確保のために中小企業の間でも福利厚生に力を入れている企業が増えてきているようです。電子ビーム描画装置大手のエリオニクスは、従業員が休日にリフレッシュできるように390万円で山中湖村のリゾート施設の会員権を取得。高千穂精機は1,500万円を投じて本社屋上にログハウスを設置し午後5時以降に従業員が自由に使えるようにしました。

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とはいえ、その設備投資額は決して小さなものではなく、経営を圧迫してしまうのではと考える経営者の方もいるのではないかと思います。

それに対しては、元法政大学教授 坂本光司氏らが実施した「社員のモチベーションと企業の業績に関する研究」が興味深い結果を示しています。

売上高経常利益率が10年以上10%以上持続している企業を抽出し企業のモチベーションのレベルとの関係性を見ると、業績のレベルとモチベーションのレベルとの明確な相関は見いだせませんでした。しかし、社員のモチベーションが他社と比較して「極めて高いと思う」と回答した企業を抽出しその企業の業績を調べると、すべての企業の売上高経常利益率が5%以上となったのだそうです。

すなわち少し大胆な言い方をすれば、業績が高い企業が必ずしもモチベーションが高いわけではないものの、モチベーションが非常に高ければ業績は必ず良くなる、という相関が見られたということになります。

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それでも資金的な余裕がないという中小企業向けには、各自治体の勤労福祉サービスセンターが、中小企業の事業主と従業員向けに、従業員一人当たり月々数百円の会費で、レジャー施設の優待利用や慶弔給付を受けられるサービスを提供しています。
こうした制度を利用しながら優秀な人材のモチベーションを高めることが、業績アップの近道となる。そんな時代になってきたようです。

日本経済新聞首都圏版 5月26日(土)付 朝刊より
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30982530V20C18A5L83000/