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私は週末自炊をする方なので冷蔵庫に野菜は入っている方だと自負しています。けれどもとかくコンビニ弁当やインスタント食品が台頭する現代、はじめて家を出た若手社員の食生活は野菜不足になりがちかもしれません。そんな社員の野菜不足を補おうとユニークな取り組みをしている会社が世田谷にあるそうです。

モバイルサービスの受託・開発などを手掛ける「ゆめみ」では毎月末になると人事部長がやってきて約100人の従業員に新鮮な野菜を手渡しするそうです。野菜は現金に換算して500~600円ほどで青果店と契約して毎月3種類のセットから選べるようにしているとのこと。当初は「野菜手当」として現金を支給することも検討されたそうですが、それでは「思いが届かない」として現物支給に。おかげでこの冬はインフルエンザで休む社員がほとんどいなかったそうです。

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日本政策金融公庫総合研究所の佐々木真佑研究員は「中小企業では社員が一人でも倒れたときのリスクは計り知れない。従業員の健康を守ることはコストではなく投資だ。」と述べています。この「ゆめみ」での取り組みは福利厚生の一環であると考えられ、社員のモラール向上にも一役買っているといえそうです。

しかし、昨今は一般的に社会保険料の負担増や従業員のニーズの多様化から企業の福利厚生の負担は大きくなる傾向にあります。そのため従業員自信が必要な福利厚生を選べるカフェテリアプランを導入したり、従業員のニーズにあわせた福利厚生の提供に絞るなどの必要性に迫られています。

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従業員の健康を気遣って生まれたこのような福利厚生プランですが、記事では堅苦しく考えず「おせっかい」を広げるのがよいと述べています。人を大事にして考えるこれが何事も原点だということですね。

日本経済新聞 3月30日(水)付 夕刊より
http://style.nikkei.com/article/DGXMZO98991940Z20C16A3NZBP00?channel=DF130120166128&style=1