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京都伏見へ行くと、龍馬が幕府方の役人に襲われ命からがら逃げたという「寺田屋」があります。中に入ると銃痕や刀傷が柱に残っており、当時の格闘の生々しさが伝わってきます。と、書きましたが実はもともとの建物は鳥羽伏見の戦いで焼失しており残っている銃痕や刀傷が本物かどうかは謎です。

さてこのほどこの寺田屋事件の際に、龍馬が寺田屋に残したとされる書面の内容を裏付ける文書が鳥取で見つかりました。内容は、長州藩が朝敵の汚名を晴らすために軍を率いて上洛する際に薩摩藩が幕府側の会津藩を京都から追い払うことを約束したものであったとし、薩長同盟のあり方を証明する貴重な文書であると評価されています。

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坂本竜馬が薩長同盟に介在したのは、薩摩と長州は互いの利害関係は一致するものの、それまで敵対する関係で互いに信用をすることが出来ないために、彼が介することにより双方の約束事を着実に履行させようとする効果があったといわれています。

実は、現在の情報セキュリティの技術も同じ考え方が使われています。たとえばネットショップでクレジットカードを使って買い物をするとき、成りすましによって品物をだまし取ったり、架空のサイトを使ってクレジット番号だけを盗み取ったり出来ないように、クレジットカードの利用者、ECサイト、クレジットカード会社の三者がすべて本人、本物であることを第三者が証明する仕組みを取り入れています。

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情報技術と言うと非常に難しいものと思われがちですが、難しいのは言葉だけであって仕組みの本質は意外と古くからあるものだったりします。もしかすると龍馬の活躍がなければ、今インターネットで安心して買い物ができるような世の中は来てなかったのかもしれません。

日本経済新聞 9月19日(火)付 朝刊より
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO21243130Y7A910C1CR8000/