変わりゆく世に面白く

中小企業診断士。ウエスト・アイ・ランドコンサルティング代表。会社員としてネットショップ支援業務に19年間従事の後山口県萩市へ移住。 地域おこし協力隊として従事しつつ独立。スモールビジネスとは何かを自ら実践しながら追求する。

2020年02月



SDGs

先日、大阪へ出向いたのはSDGsのセミナーを受講するためでした。SDGsという言葉はよく耳にしますが正直、どこか単に慈善事業の旗印のような印象を持っていました。今回のセミナーを受講する前までは。

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セミナーは「2030 SDGs」というカードゲームを使って行われました。これは簡単に言うと配られたカードに書かれたミッションを時間内にクリアできるかを競うゲームです。なのでどうすれば最短で自らのミッションをクリアできるか、みな必死で考えてプレイします。

ところがです。プレイの途中に、このゲームの目標は個々のミッションをクリアするのでは足らず、プレイヤー全員をとりまく「場」の環境や社会をよりよいものにするこそが本当の目標であることが明かされます。

その時点で、我々の「場」の環境は破壊され、社会情勢も壊滅状態でした。その後、プレイヤーみんなの意識が変わり、ゲーム終了時にはなんとか環境や社会のポイントを取り戻しましたが、現実社会を実にうまく映し出しているようで戦慄を覚えました。

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さて、現実世界のSDGsの取り組みでは17の大きな目標が掲げられており、写真のようなカラフルなアイコンを見かける機会も多くなってきました。ただ、この17の目標はお題目に過ぎず、その下に掲げられるさらに細かな169のターゲット(数値目標)が大事であるとされています。

それぞれの国にはこの169のターゲットを達成することが求められています。そして近い将来、企業活動においてもこれらの数値目標に貢献する事業でなければ投資や取引の対象から除外されるだろうと予想されています。これは中小企業においても同じです。

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とはいえ、国から企業に対して数値目標が割り振られてその達成が求められるというわけではありません。すなわち、自らどのターゲットにどれだけ貢献するかをコミットする形をとるわけです。

こう書いてしまうとやはり単に慈善事業の旗印のように思われがちですが、前述のゲームのように、取り組まなければ我々の生きる環境が破壊されてしまう「いまそこにある危機」が横たわっているという点が大きく違うところです。

SDGsは、誰かに言われるからやるのでもなく、個々が問題にどう取り組むか考えて行動することが求められる「ボトムアップ」の仕組みです。すなわちそれで行動の自由が束縛されるというものでもないし、かといって誰も傍観者でいることはできないのが大きな特徴です。


カードゲーム 「2030 SDGs」
https://imacocollabo.or.jp/games/2030sdgs/

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開業届けを出して1か月半あまりが過ぎました。しかしながらお恥ずかしい話、まだ交通費分も稼げていないのが実情です。けれども最初はそんなものだと割り切っています。最初はなかなかお金が入ってこないことを見越して一応、3年分くらいの事業計画を考えてみました。

利益を出すためには、それまでに相当いろんなことをやらないといけないことが見えてきました。やることリストを書きだすと、今の自分にできるのかと急に不安になってきます。でもそれを実現するためのスケジュールを考えていくのが事業計画なのです。

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さて、事業計画を組んだだけで満足していては何の意味もなくて、それを実行に移さなければなりません。けれども作った計画書をパソコンに保存しておくだけでは細かい内容を忘れてしまいそうです。そこで、作った事業計画を印刷して自宅の壁に張り出すことにしました。

実は事業計画らしきものを最初に作ったのは3年ほど前、兵庫県協会のプロコン育成塾に通っていた時でした。当時はかなりテンパって書いていたので10年も先まで決めた壮大なものになっています。これもやはり壁に張り出しています。

すると今見返してみると、全てとは言わないまでもあらかた実現してきているような気がするので不思議です。

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壁に張り出すことの効果は、毎日目にすることで無意識のうちにやるべきことの方向性が固まることにあります。なので事業計画のほか、とあるセミナーで書いた企業理念ならぬ自分理念?みたいなものも張り出しています。老舗の会社などにいくと事務所の壁に企業理念が張ってあるのと同じですね。

ビジネスの世界ではほとんどのものがデジタル化していますが、こうしたアナログ手法も決して捨てたものではありません。

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生まれではじめて、自動車というものを購入しました。鉄道好きの私はこれまで長距離移動は鉄道と決めていたのですが、さすがに2時間に1本しか列車がやってこないこの地でそれではどこにも行けません。これでは仕事でクライアント訪問もできないので車を持つことにしました。とりあえず走ればよいと思っているので12万キロ走行済みの13年モノです。何も考えず30分で購入決めました。

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さて、中古車と言えどもそれなりの値段はしました。今年これだけお金を使ったのだから事業利益が出ませんでした。なので税金払えません!というわけにいきません。自動車は複数年にわたって事業に利用されるものだから、その経費を複数年に案分してみなさいよ、という仕組みがあります。これがすなわち「減価償却」と呼ばれるものです。

詳しい計算方法は、国税庁のホームページなどを参照いただくとして、私の場合は2年間で償却(2年間に案分)する事になりました。(新車の普通車の場合は6年となります)

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自動車を買うと、ガソリン代や自動車税など付随する経費も増えてきます。これらも事業の負担になるから税金が安くなる!っと思ったらこれもそうは単純にいきません。私のような個人事業主の場合、プライベートで自動車を使用した分は経費としてカウントされません。ガソリン代や自動車税はどこまでがプライベート分か分かりにくいため、走行距離の比率で案分するのが一般的です。

これまでペーパーゴールド免許を誇っていたので、極力自動車には乗らないつもりではいるのですが、償却が完了するまでに何処かにぶつけて乗れなくなって「固定資産除却」、なんてことにならないように大事に乗りたいと思います。

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本日、萩インキュベーションセンターにて「はぎビズ」が開設されました。萩市が中小企業やスタートアップ企業向けに無料で経営に関する相談を受け付け、売上アップをサポートする仕組みです。

センター長に化粧品業界のブランドマネージャーなどを経験した獅子野さんを迎え、販路開拓や新商品・サービス開発を中心にサポートします。予約をすれば1時間の相談が受けられ、そのあとも何度でも申し込みが可能です。すなわち単発の相談で終わるのではなく、継続的にサポートが受けられるのが特徴です。

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「はびビズ」は静岡県富士市の「f-Biz」をモデルとしています。自治体が経営の専門家を集め、すべて無料で相談を受け付けています。すでに同じモデルを活用した〇-Bizは、大阪府大東市や長崎県壱岐市など全国に20か所以上もあります。

これまで自治体の中小企業支援策というと、補助金など直接的に金銭補助をするものがメインでしたが、こうした情報提供を主体的に行うのは画期的です。実際、地方に住んでみると東京などの大都市に比べ情報が圧倒的に不足しているということを肌で感じられます。資金的な援助よりも行動につながりやすい「知恵」の提供の方がニーズが多いということの表れなのではないかと思います。

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地方には豊かな自然や、歴史ある建造物などまだまだ眠っている資源がいっぱいあります。そこに「知恵」が注入されることにより新しいビジネスが生まれ、面白いことが始まる予感がしています。

萩市ビジネスチャレンジサポートセンター・はぎビズ
https://www.city.hagi.lg.jp/soshiki/49/h28853.html

富士市産業支援センターf-biz
http://f-biz.jp/


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地域のブランドをアピールする場として、ふるさと納税の返礼品として地域産品を出品するというケースが定着してきました。私も東京在住時代に、ふるさと納税を利用して萩焼の急須を手に入れ、今も大事に使っています。

ふるさと納税に関して一つ気になる判決が先日ありました。泉佐野市が今年度のふるさと納税制度の認定から除外されたことを不服として争われていた裁判で、大阪高裁は同市の敗訴とする判決を下したのです。これに対して同市は、「実質的な遡及適用で違法だ」として上告する構えを見せています。

これは、アマゾンギフト券など地域産品ではない物を出品しさらに返礼割合が3割を超えていたとして総務省が同市の認定を除外し、それに対して泉佐野市が不服を申し立てたものです。

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ここで私が気になったのは、除外判断が新制度開始前の時点に遡及してなされたことはもとより、新制度が返礼品として「地域産品」に限るとしたことです。確かに地域産品が出品されることにより、その生産者にも恩恵がもたらされ地域経済が活性化されるという効果が期待できます。

けれども、そうでない方法を取ったとしても十分に市の財政にプラスになると判断されていたのだとしたら、それはそれで市の裁量であるともいえます。

さらに今日、気になるニュースがありました。ひとつは「天草ジオパーク」が認定を返上するというニュース。もう一つは愛知県西尾市が「西尾の抹茶」という地域ブランドのGI(地理的表示)を撤回するというニュースです。

いずれもブランド価値として十分な効果を発揮しておらずメリットがないと、それぞれの自治体が判断したものです。

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日本国憲法94条は地方公共団体の財政権を保障しているとされ、その財源の取得方法にも法律の範囲内で裁量があるものと解されています。すなわち、自治体の稼ぎ方は本来自由なものであってどのようなブランド価値を示すかも、地域ごとに自由に決められてよいと考えることができます。

確かにどこの地域にも、〇〇産の▲▲といったように既に強くイメージづけられたブランドというものがあります。しかし、これらの多くは古くからあったものをメディアによって表面的にとらえられたものであって、その地域の実情とは乖離している場合もあります。

実際、その土地土地に住んでみると、独特の商習慣や産業構造が見えてきて必ずしも一般にみられているイメージ通りに地域経済が成り立っている訳ではないことに気づきます。地域が今後生き残りをかけるにはその産業構造に即した戦略をとるのが最も有利となります。

もし、過去から蓄積された「伝統」や「風土」というものしか資源として使えないのなら、勝負は最初から決まっているようなものです。地域ブランドとはもっと自由なものであってよいのではと思うのです。

日本国憲法
第94条
 地方公共団体は、その財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する機能を有し、法律の範囲内で条例を制定することができる。

日本経済新聞 1月30日(木)「ふるさと納税、国が勝訴 裁量行政に疑問の声も」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO55049680Q0A130C2EE8000/

日本経済新聞 2月3日(月)「天草ジオパーク認定返上 集客伸びず、更新審査も負担」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO55091130R30C20A1ML0000/

日本経済新聞 2月3日(月)「西尾の抹茶GI取り下げへ 地元組合国に申請、全国初」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO55160110S0A200C2CR8000/


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