変わりゆく世に面白く

中小企業診断士。ウエスト・アイ・ランドコンサルティング代表。会社員としてネットショップ支援業務に19年間従事の後山口県萩市へ移住。 地域おこし協力隊として従事しつつ独立。スモールビジネスとは何かを自ら実践しながら追求する。

2018年08月

001

最近は訪日観光客によるインバウンド需要が高まっています。欧米諸国や中国、台湾、韓国など近隣諸国だけでなく、東南アジア、中東などイスラム圏からとみられる観光客も見かけるようになりました。スカイツリーの近所には、イスラム教の戒律に従った「ハラール」に沿った食事を提供するカフェも営業をしています。

中東諸国のひとつUAE(アラブ首長国連邦)では、イスラム教の雰囲気が濃く他のエンターテイメントへの制約が強く、ショッピングが一つのエンターテイメントとなっているそうです。そのうえ、他の湾岸諸国よりもインターネットやスマホの普及率が高く、オンラインショッピングの成長が著しい国のひとつとなっています。

--☆---★---☆---★---☆---

越境ECに強い決済システムを提供するペイパルが調査したアンケートによると、中東地域の回答者の70%が越境ECで買い物をしたことがあると答え、国外から多くのものをオンラインショッピングで買っていることが窺えます。

中国メディア雨果網によると、中東のEC市場規模は2017年3月時点の70億ドルから2018年に180億ドルまで成長すると予想されています。

ただし、ジェトロ・ドバイ事務所が2017年にUAE国内のECサイトに確認したところ、日本を含む海外からの出品が可能と回答したのは数社のみで、出品をするにはUAE国内に代理店が必要になるなど中東への越境ECを実施するには課題も多いのが現実のようです。

--☆---★---☆---★---☆---

次の2022年ワールドカップカタール大会は、初の中東での開催。2020年の東京オリンピックを機に来日する中東諸国の方々に丁寧なおもてなしをすれば、4年後には日本の商品をECで売り込むチャンスが来るかもしれません。その時を迎えるまでに情報収集は行っていきたいと思います。

WWDジャパン 8月11日(土)付より
https://www.wwdjapan.com/668789 

055

日本の街角にはラーメン屋を含めて、中華料理屋がいくつも存在します。安くて栄養価も高く日本の庶民にも深く浸透した食文化といって間違いありません。

中華料理には、広東、福建、北京、四川、上海などのいくつものジャンルがあります。中華料理が初めて日本に伝わったのは江戸時代の長崎からと言われていますが、すべてのジャンル日本に入ってきたのは1978年に調印された「日中平和友好条約」以後に上海料理の料理人が多数日本にわたってきたことによるのだそうです。

--☆---★---☆---★---☆---

今日、8月12日はその「日中平和友好条約」が調印されてちょうど40年に当たります。当時の中国は毛沢東政権の時代から隣国の超大国ソ連と激しく対立し、新たな安全保障の枠組みを模索せざるを得ない状況にありました。そのため中国は、「日中平和友好条約」の締結にソ連をけん制する「反覇権条項」を盛り込むよう強く求めました。

一方、日本はソ連との無用な対立は回避したいとの思惑から当初「反覇権条項」を含めた条約の締結には慎重な姿勢を示していました。しかし、イデオロギーや体制の異なる国々との平和共存を図っていく「全方位平和外交」の考え方を重視し、「反覇権条項」が特定の第三国をに向けられたものではないことをソ連側にも示しつつ、40年前の今日、条約調印に至りました。

--☆---★---☆---★---☆---

本日付の日経新聞の記事によれば、中国はアメリカのトランプ政権により仕掛けられた貿易戦争に苦戦を強いられ、日本とも新たな関係を築くために新たな日中間の文書合意を目指しているといいます。
12年の尖閣諸島国有化などで日中関係は大きく冷え込みましたが、それを回復する大きなチャンスと言えます。

考え方の異なる国とも関係を構築し、平和を維持しようとした40年前の外交政策には学ぶべき点が多くあるように思えます。日本国憲法が示す「国際協調主義」は軍事的な協調ではなく、本来こうした外交努力によってなされるべきものなのではないかと思います。

日本国憲法前文より

 日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
 われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。

日本経済新聞 8月12日(日)付朝刊より
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34081480R10C18A8EA3000/ 

DSC_0328

東京の下町には「まいばすけっと」というイオン系の小規模スーパーがあります。売り場面積は通常のスーパーよりも小さく駐車場も備えていませんが、住宅街のそこここにあるので便利です。このような形態であれば市場規模の小さな地方の商店街などでも営業が出来そうです。

問題はスタッフの確保。無人スーパーが実現すれば出店数も増やせそうですが、日本ではそれもなかなか難しいようです。

--☆---★---☆---★---☆---

中国EC大手の京東は、中国国内ではすでに約20店舗を展開している無人スーパーを、2日インドネシアのジャカルタにオープンしました。利用者はスマートフォンにアプリをダウンロードしクレジットカード情報や顔写真を登録してQRコードを入手、入口でQRコードをかざせば、あとは欲しいものを選んでレジを通らずそのまま買い物が完了するという仕組みです。

インドネシアはスマートフォンの普及率が5割を超え、スマホ決済が急速に普及し5年前の5倍にまで広がっています。インドネシアではATMで高額紙幣しか引き出せず不便なこともありスマートフォンの普及とともに電子決済も普及している格好です。

--☆---★---☆---★---☆---

対して、日本ではコンビニにもATMがあるなど現金を引き出しやすい環境にあるほか、紙幣も精巧に作られていて偽札を手にするリスクも極めて低いことから、現金決済が根強く支持されています。
しかし、現金決済では本人確認をする手段がなく複雑な現金読み取り機が必要なため無人化の障害となります。

無人化などで生産性を上げ、地域の生命線ともいえる食品スーパーを存続させるためには、日本も電子マネーへの移行を進めなければならなそうです。

アジア経済ニュース 8月6日(月)付より
https://www.nna.jp/news/show/1796538 

DSC_0326_HORIZON

私はたばこを吸いません。吸った経験もほとんどありません。なので分煙が進んで煙草の煙を吸わずにすむのは大歓迎です。しかし先日入った喫茶店で、禁煙席に座ったのに「加熱式タバコのみOK」というステッカーが貼られていました。どういうことなのでしょう。

--☆---★---☆---★---☆---

加熱式タバコは従来の紙巻きタバコと異なり、たばこの葉に火をつけるのではなく加熱することによりニコチンを発生させ、それを味わうという仕組みで、紙巻きタバコに比べ健康被害のリスクが少ないとタバコ業界は主張しています。他方、日本呼吸器学会などはこれに真っ向から反論し使用者にとっても受動喫煙者にとっても健康に悪影響を及ぼすとしています。

先月成立した改正健康増進法では、この点について未だ科学的知見が不足しているとして、飲食店などでは喫煙ルームを設ければその中での飲食も可能としました。この法律の施行は2020年4月となっており、飲食店が加熱式タバコの喫煙を許可するならば、原則として喫煙ルームを設けることが求められます。

--☆---★---☆---★---☆---

ところで先述したステッカーは、JTが発売する加熱式タバコのみOKとするもので、JTが喫煙可能な飲食店が数多くあることを売りとして自社の加熱式タバコを広めることを目的に、飲食店に配ったものでした。

JTには分煙コンサルタントなるスタッフがおり、飲食店への喫煙ルーム設置のアドバイスを行ったりしています。このように飲食店を巻き込むことで競合の加熱式タバコを排除し、シェアを広げようという戦略のようです。

--☆---★---☆---★---☆---

タバコそのものを売ることよりも、その使用シーンを広げることによって売上を上げるマーケティングの事例と言えます。もっとも、私のようにタバコを吸わない人間にとっては、禁煙席がもっと増えてくれた方がありがたいのですが・・・

産経ニュース 8月2日(木)付 より
https://www.sankei.com/economy/news/180802/ecn1808020002-n1.html 

003

2016年秋に映画化もされた、こうの史代作「この世界の片隅に」が現在TBS系でテレビドラマ化されて放映されています。その中で、主人公のすずが呉港に停泊している軍艦を何気なくスケッチしていたところを憲兵に見つかり厳しく咎められるシーンがあります。四方を海に囲まれた日本にとって、艦船が防衛の要になっていることは今も昔も変わらず、その情報が外に漏れることを強く警戒したものと考えられます。

核や化学兵器が搭載されたミサイルが発射から数分で着弾してしまう現代の脅威に対抗する手段として、日本は「イージス艦」という艦船の増強を図ろうとしています。現在稼働している海上自衛隊のイージス艦は4隻、これを2021年までに倍の8隻まで増やす計画です。

--☆---★---☆---★---☆---

イージス艦の特徴は、敵ミサイルの情報を瞬時に他のイージス艦と共有し、連携してミサイルの迎撃を行うことができる点です。これは自国のイージス艦だけではなく、米国とも情報共有ができ日米同盟の枠組みの中で共同でミサイル防衛が可能となります。

2001年米国によるアフガニスタン攻撃の際に、イージス艦の派遣が検討されましたが、日本のイージス艦が米国に情報を提供する行為が、「集団的自衛権」の行使に当たるという指摘が上がり見送られました。

従来、同盟関係にある他国に加えられた武力行使を阻止する「集団的自衛権」は憲法9条に違反するというのが政府見解でもありました。しかし、安全保障を取り巻く環境変化を日米同盟の強化により乗り切ろうとする政策によってこの見解に変更があったのが2014年の安倍内閣による閣議決定であり、2015年のいわゆる安保法制の成立でした。

--☆---★---☆---★---☆---

8月の中旬は、広島・長崎の原爆忌、終戦記念日と73年前の戦争を振り返る機会が多くなります。この先の戦争を回避するために同盟を強化するのか、憲法9条の理念を固持するのかまた考える機会にするのも、無念にも戦争の犠牲になった方々の意思を引き継ぎ現代を生きる私たちに課せられた課題でもあります。

日本国憲法
第9条第1項 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
  第2項 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権はこれを認めない。

日本経済新聞 8月5日(日)付朝刊より
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO33820290U8A800C1EA3000/ 

↑このページのトップヘ