中国からの観光客がドラッグストアの袋の中に大量の商品を携えて歩く姿は珍しくなくなりました。特に日本の化粧品や食品は品質が良いとして中国でも人気なのだそうです。ならば、中国向けにネット通販で日本製品を売れば儲かるのではないか。そう考えた人に朗報です。
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中国EC最大手、アリババ集団が日本製品の大量調達に乗り出すと発表しました。これまでアリババが運営する「天猫(Tモール)」に出品するには、自らモールに出店して販売活動を行わなければなりませんでしたが、アリババが在庫リスクを負って日本製品を買い取り、自ら販売するということです。
アリババ集団は2016年に「新小売(ニューリテール)」という構想を発表。Eコマースの枠にとらわれず実店舗も含めた販売チャネルと、そのバックボーンである物流、データ、サプライチェーンをクラウドとビッグデータをベースに結び付けようという内容です。
しかしながら、これを実現するには中国国内商品だけでは品揃えが不足し、加えて偽物や粗悪品が増加し続けていることが問題となっていました。これを解決すべく品質が安定していて人気のある日本製品に白羽の矢が立った格好です。
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アリババは近年、地方銀行や全国の商工会議所と提携し、セミナーなどを通じて日本企業向けに海外販路開拓の支援を行っています。名前が知られていなくても品質の良い商品を作っている各地の企業にはチャンス到来となるかもしれません。
日本経済新聞 5月23日(水)付 朝刊より
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30819270S8A520C1TJ3000/