変わりゆく世に面白く

中小企業診断士。ウエスト・アイ・ランドコンサルティング代表。会社員としてネットショップ支援業務に19年間従事の後山口県萩市へ移住。 地域おこし協力隊として従事しつつ独立。スモールビジネスとは何かを自ら実践しながら追求する。

2018年05月

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かつて、プロ野球といえばテレビで観戦するものでした。しかし、最近は巨人戦ですら放送をしなくなり見る機会がすっかり減ってしまいました。とはいえ、時々やる中継で満員になったスタジアムを見ると決して野球人気が衰えたというわけではなさそうです。

横浜スタジアムもかつては巨人戦以外でなかなか満員になることはなかったのですが、いまやヤクルト戦ですらベイスターズを応援するファンで青一色に染まります。球団はこうした来場者をもてなすべく「クラブベイスターズ」という組織を立ち上げ、周辺の店舗も巻き込んで応援ムードを一層盛り上げようとしています。

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その一環として、公募により採用がきまった品川区のベンチャー企業ギフティの「Welcome Stamp」という機能を利用して、ベイスターズ独自の電子通貨を発行し、クラブベイスターズの店舗で利用できるようにすることとなりました。

この「Welcome Stamp」はユーザ自身が使用する金額を決めてスマホに入力し、店舗ではスタンプに見立てた機器でスマホに接触させれば決済が完了するという仕組みで、導入のしやすさが特徴です。長崎県の5つの島で使える地域通貨として利用された実績もあります。

ベイスターズではこの電子通貨に対してプレミアムの付与も検討しており、運用が始まれば「クラブベイスターズ」各店への来店動機として強く働くものと考えられます。

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日本のプロスポーツ界は、近年地域密着型のマーケティングを行うケースが増えています。地域の個店にとってもチームのブランド力を利用でき双方にメリットがあります。まずは地元のプロチームを見つけて応援に出かけてみてはいかがでしょうか。

日本経済新聞 5月29日(火)付 朝刊より
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31059880Y8A520C1L82000/ 

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先日、コンビニへ立ち寄ったときにレジ横に段ボールに山積みになった夏みかんが売られていました。しかも1個50円という破格の値段。もちろん買って帰りました。果物が安くコンビニで買えるなんて意外でした。

コンビニも100円均一の店舗、イートインがついている店舗、様々な変化を見せています。ファミリーマートは6月からディスカウントストアの「ドン・キホーテ」と連携し、ドンキの品物含めた4~5千点の商品を天井近くまで陳列する独特の売り場の店舗を開くそうです。

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コンビニエンスストア業界は、(一社)日本フランチャイズチェーン協会の調査で2016年3月~2017年12月まで既存店の客数が22ヵ月連続で前年を下回る等、成長に陰りが見えてきています。店舗数は2008年の約4万店から2017年5.5万店と2割近く増加しているのに対し、日本の人口が減少傾向にあることなどから市場が飽和しつつあることが窺えます。

そのため、コンビニエンスストアと言えども差別化を進めなければ生き残れない時代がやってきています。最近ではコインランドリーを併設したり、シェア自転車の貸し出しを始めたりする取り組みも見られます。

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効率化も行くところまで行くと差別化が求められるようになり、逆に非効率な付加価値戦略へ転向していくという、「小売りの輪理論」がコンビニ業界にも例外なくあてはまることがこのことからも分かります。

日本経済新聞 5月28日(月)付 朝刊より
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31037540Y8A520C1HE6A00/ 

002

先週のNHK大河ドラマ「西郷どん」では、西郷隆盛が奄美大島に流されてからの物語が繰り広げられていました。~西郷が収監されている村の長老が、隣村の告発により砂糖隠しの疑いをかけられ薩摩の役人に捕えられてしまう。~その中でそんなくだりがありました。

長老の砂糖隠しは実は役人によるでっち上げだったのですが、隣村でも同様の冤罪をかけたうえで、長老がやったことにすれば罪を軽くする、というような取引がなされたものと想像されます。

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組織犯罪の捜査を行いやすくする目的で、自分の罪を認める代わりに有利な取り扱いを受けられるようにする司法取引が6月1日から導入されます。しかし、これには前述の「西郷どん」のように無実の人を巻き込む危険があることが指摘されています。

そのため最高検察庁は、国民の理解を得られるか、裏付け証拠が十分に得られるかなどを考慮に入れた上で司法取引を検討する必要があるとの考えを示しています。

日本国憲法38条3項では、自白のみの証拠により有罪とし刑罰を加えることを禁止しています。ただし、共犯者の自白がそのまま証拠になるかについては議論が分かれています。

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昨今、関係者の内部告発によって組織的な不正や犯罪が明るみに出るケースが多くなってきました。司法取引を導入することによって、より当事者からの情報提供を行いやすくするインセンティブが働く一方、冤罪を生まないようにする工夫が求められます。

日本国憲法
第38条1項 何人も、自己に不利益な供述を強要されない。
   2項 強制、拷問もしくは脅迫による自白又は不当に長く拘留若しくは拘禁された後の自白は、これを証拠とすることができない。
   3項 何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない。

日本経済新聞 5月27日(日)付 朝刊より

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私が今の会社に入社したときには伊豆に保養所があり、両親を一度連れていったことがあります。温泉付きで料理も本格的で父母とも満足してくれていました。しかし、経費削減の流れの中、数年前に手放してしまい今では行くことができなくなってしまいました。

しかし、昨今は人手不足が深刻化し、人材確保のために中小企業の間でも福利厚生に力を入れている企業が増えてきているようです。電子ビーム描画装置大手のエリオニクスは、従業員が休日にリフレッシュできるように390万円で山中湖村のリゾート施設の会員権を取得。高千穂精機は1,500万円を投じて本社屋上にログハウスを設置し午後5時以降に従業員が自由に使えるようにしました。

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とはいえ、その設備投資額は決して小さなものではなく、経営を圧迫してしまうのではと考える経営者の方もいるのではないかと思います。

それに対しては、元法政大学教授 坂本光司氏らが実施した「社員のモチベーションと企業の業績に関する研究」が興味深い結果を示しています。

売上高経常利益率が10年以上10%以上持続している企業を抽出し企業のモチベーションのレベルとの関係性を見ると、業績のレベルとモチベーションのレベルとの明確な相関は見いだせませんでした。しかし、社員のモチベーションが他社と比較して「極めて高いと思う」と回答した企業を抽出しその企業の業績を調べると、すべての企業の売上高経常利益率が5%以上となったのだそうです。

すなわち少し大胆な言い方をすれば、業績が高い企業が必ずしもモチベーションが高いわけではないものの、モチベーションが非常に高ければ業績は必ず良くなる、という相関が見られたということになります。

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それでも資金的な余裕がないという中小企業向けには、各自治体の勤労福祉サービスセンターが、中小企業の事業主と従業員向けに、従業員一人当たり月々数百円の会費で、レジャー施設の優待利用や慶弔給付を受けられるサービスを提供しています。
こうした制度を利用しながら優秀な人材のモチベーションを高めることが、業績アップの近道となる。そんな時代になってきたようです。

日本経済新聞首都圏版 5月26日(土)付 朝刊より
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30982530V20C18A5L83000/ 

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私とある会社の株主で、毎年その会社の株主総会に行って、生意気にも何か一つ社長に質問して帰ってくるということをしてました。その会社の社長さんはいつも私の不躾な質問にも丁寧に答えてくださったのをよく覚えています。

株主総会というのは、どんなに大企業でも経営陣にとっては緊張する瞬間であるようで、その会社においても取締役の方々が神妙な面持ちで訪れた株主たちの前で座っていたのが印象的でした。

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今年の5月24日は、小売業に多い2月決算の会社の株主総会のピーク日で、セブン&アイ・ホールディングスやイオンなどが総会を開きました。株主からは特に人手不足に関する質問が飛び交ったようです。

イオンではネット通販の強化と物流現場の人手不足についての質問があり、「注文が多ければ人を増やす」と採用に対して慎重な姿勢を示した対し、セブン&アイでは省力化につながる「無人店舗」への質問があり、「お客様が店に足を運ぶのは温かい接客があるから」と、雇用に対して対照的な回答を示しています。

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その違いは両者が強みとしている小売形態の利益構造からきています。イオンの主力であるGMS事業の18年2月期の営業収益3兆円あまりに対し営業利益約105億円(0.3%)。対するセブン&アイの国内コンビニエンスストア事業の営業収益9,286億円に対し2,452億円(26.4%)と、営業利益率に大きな差があります。

すなわちセブン&アイのコンビニエンスストアの方が徹底的な効率化を図りつつ接客を維持する体力を持っているということがいえます。削れるところは削り、接客には手を抜かないことこそ儲かる秘訣なのかもしれませんね。

日本経済新聞 5月25日(金)付 朝刊より
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30908460U8A520C1DTA000/ 

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