変わりゆく世に面白く

中小企業診断士。ウエスト・アイ・ランドコンサルティング代表。会社員としてネットショップ支援業務に19年間従事の後山口県萩市へ移住。 地域おこし協力隊として従事しつつ独立。スモールビジネスとは何かを自ら実践しながら追求する。

2017年11月

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インターネット通販で自社サイトを運営する場合、工夫次第でSEOをうまく行いターゲットとする客を集客することができれば売上を上げる余地があります。しかし、実店舗を持つ場合はその立地により人通りの少ない場所であればいくら努力しても集客できないことに陥りかねません。それぐらい店舗立地というのは重要なファクターとなります。

銀行の支店というのは、大概駅前などの人通りの良い立地にあり、これを小売店などの店舗向けに貸し出せるように規制緩和をする動きが出てきました。具体的には地方銀行が支店の建て替えを行った際に生じた余った土地を民間企業などに貸し出せるよう、金融庁が規制緩和を検討しているとのことです。

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銀行業を営む事業者は銀行法により、預金や貸し付けのほか手形の引き受け、有価証券の販売など行える業務が限定されています。こうした規制は、憲法22条1項に基づく「営業の自由」を損ねるという見方ができますが、社会的な弱者の救済・国民経済の持続的発展など政策目的を達するために必要なものと考えられています。

すなわち、銀行が土地の貸し出しなどの他業種に参入することにより、資金力等で劣る他の事業者の営業を圧迫することを回避する目的でこうした規制が存在しているのです。

今回の規制緩和は長引く低金利で収益力を失った地方銀行を救う目的があります。銀行が地元企業にその土地を貸し出せれば地域の賑わいにもつながり本業の業績回復にもつながることを期待する狙いもあります。国は地域の他業種を保護することよりも、地域金融の活性化で地域経済を復活させることを優先させたといえます。

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ともあれ、好立地での営業を望む小売店などにとっては売上拡大の好機であるとともに銀行との関係を深める好機であるといえます。地域で事業拡大を狙う事業者がこうした仕組みを利用することが見込まれます。

日本国憲法
第22条1項 何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。

日本経済新聞 11月26日(月)付 朝刊より
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO23909750V21C17A1MM8000/ 

006

私のように一人暮らしをしていると、ネット通販で買い物をした場合に必ずポストに不在通知が入っていて、配達日を再指定して再配達をお願いすることになります。しかしこのような再配達業務は、運送業者にとっては負担で、人手不足に拍車をかけているようでなんだか申し訳ない気持ちになります。

今年の年末は特に人手不足の状況が深刻で、各社時給を上げるなどして人材確保に努めているものの必要数に達しておらず集荷・配達に影響が出そうな状況です。たとえばヤマト運輸では新規の法人客が一度に20個以上の荷物を発送する際に、出荷日の1週間前までに連絡を要請することになるそうです。

既存の顧客にも出荷量が急増する予定があれば事前相談を求めるようで、年末商戦で出荷量が増えるネット通販業者にも影響が見込まれます。

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ネット通販事業者も急な出荷量の増加に対応ができなくなることを見据えて、事前に対策を考えておく必要がありそうです。

出荷量が予定よりオーバーしてしまい配送業者が受付できなくなってしまうような場合を想定して、あらかじめサイト上に「年末は配送日が遅れる可能性があります」などと注意書きを入れる。もしくは配送が遅れる顧客にだけ「おまけ」など特典を付けるといったことが考えられます。

逆に、配送業者にはあらかじめ多めの出荷量を伝えておいて、不足になりそうなときはタイムセールを実施するなどして短期間に出荷量を増やすなどの手法も有効です。

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年末は各社セールを実施する時期で受注を増やすチャンスでもあります。配送事情で注文を受け付けられないといったことにならないよう、想定される事態をあらかじめ洗い出し思惑通りならなかったときの「Bプラン」をいくつも用意しておくことが肝要です。

日本経済新聞 11月23日(木)付 朝刊より
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO23807320S7A121C1TI1000/ 

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毎日、朝が来たら通勤電車にもまれ決まった時間に会社に着き、また夕方時間が来れば帰っていく。このルーティーンに乗っかっていればお金が手に入るサラリーマン生活は楽でもありますが、時々、本当にこれが最も生産性の高い働き方なのかと自問自答する日があるのも事実です。

近年は「働き方改革」の流れも受けて、サラリーマンをやめてフリーランスで生きていく人が増えています。財務省は2018年度の税制改正でこうしたフリーランスで働く人に減税となる基礎控除を引き上げる所得税改革案を提案することになりそうです。

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基礎控除とは、サラリーマンだろうと自営業者だろうとすべての人が課税対象額から控除される額の事で、現在38万円が設定されています。これを50万円まで引き上げる代わりにサラリーマンだけが受けている給与所得控除の額を縮小するというのが財務省の案です。

これによって年収800~900万円のサラリーマンは増税となりますが、フリーランスで働く人にとっては減税となります。

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インターネットが普及し、個人間で需要と供給の情報が交換できるようになった結果、Yahoo!オークションやメルカリといった、CtoCと呼ばれるEコマースの形態も発達してきました。小遣い稼ぎにとどまらず個人事業としてCtoCを利用してEコマースに参入する人も増えているものと考えられ、今回の税制改革案が通れば、そうしたフリーランスを後押しすることにもなるのではないかと思われます。

日本経済新聞 11月17日(金)付 朝刊より
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO23567050W7A111C1MM8000/

005

最近は、色々な地方のお土産屋さんで手ぬぐいやふきんを見かけるようになりました。肌触りの良い生地に可愛らしい絵柄が描かれているとつい手に取って買って帰ってきてしまいます。なかなかもったいなくて普段使いできないのですが絵柄を眺めているだけでほっこりとした気持ちになります。

そんな流れを汲んでか、大阪市中央区に本社を構えハンカチなどのプリント加工事業を営んできた松尾捺染では、数年前より消費者向けに生地の販売を開始。年内には台湾、シンガポールなどの百貨店にも進出して海外にまで販路を広げようとしています。

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同社はハンカチのプリント加工では国内トップ級の老舗。これまではアパレル業界への納入が中心でしたが、アパレル業界の事業環境の厳しさ、企業間競争などでコスト優先になっていました。そこでターゲットを自分で小物やバッグを作りたい消費者にも広げ、売り上げを伸ばす戦略に出ています。

現在、大阪・船場に直販の店舗「船場盛進堂」を構えるほか、2020年には東京・吉祥寺に手芸講座を開くスペースを併設した店舗を開設する予定と販路を次々と拡大していく計画ですが、最初に消費者向け販売を開始したのはネット販売。専用のサイトのほか楽天市場にも出店しておりネットから消費者への認知度を高めていく戦略をとりました。

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インターネットショップでの販売は、実店舗に比べ人件費や地代・家賃などの固定費が小さくて済み、一般消費者向けに販路を広げるのに参入しやすいチャンネルといえます。下請け脱却などを目的にネット販売から一般消費者向けへの販売を開始する製造業者は今後も増えてくることでしょう。

日本経済新聞近畿版 11月16日(木)付 朝刊より
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO23525070V11C17A1LKA000/ 

133

音楽配信全盛の時代ですが、私はいまだCD派です。一曲ダウンロードでは味わえないアルバム全体の構成や、歌詞カードなどの中の同梱物が楽しめるのもCDの良さの一つです。CDショップへ行っていわゆる「ジャケ買い」するのもCDの楽しみの一つです。

ところがこのCDもいまやAmazonで買うことが出来るようになりました。その仕掛け人がこの日経記事で取材を受けた角田太郎氏。しかし、彼は2015年に14年間務めたAmazonを退社し、カセットテープ専門の店を開き評判を呼んでいるようです。

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書籍やCDのみならず、今や日用品からアパレルまで取り扱うAmazon。すでに米国でのネット通販の40%のシェアを占めるといわれ、今後日本でも普及が広がりそうです。

このことは、街の小売店や小さなネットショップに対しても脅威であるという面もあり、特徴のない店は淘汰される危険があります。

角田さんの店舗は、Amazonでも扱わないようなアナログの世界へ逆戻りし、あえて「カセットテープ」を販売しそれがSNSなどの投稿により評判が広がっていったようです。

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「インスタ映え」という言葉がはやるなど、実体験することを写真に収め共有しあう文化が発達してきた現在、あえてアナログな「体験」を提供することがひとつの差別化要因になるといえそうです。

日本経済新聞 11月12日(日)付 朝刊より
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO23386530R11C17A1000000/ 

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