先日、何年かぶりにプロ野球の試合を見に行ったのですが、私の応援するヤクルトスワローズは断トツの最下位に低迷。この日も精彩を欠きいいところなく試合が終わりました。たった2年前に優勝したチームとは思えません。とくにプロスポーツの世界というのは選手の怪我やモチベーションによって成績が大きく変わり人材管理の重要性が求められる世界と言えそうです。
一般の企業においては人事部が人材管理を担うわけですが、彼らの仕事も楽ではないようです。採用面接をするのに毎回会議室を予約しなければならない、採用サイトの情報を社内の採用管理システムに打ちかえなければならないなど雑用に追われるのが現実。人材サービス各社はこうした雑務を軽減すべく「HRテック(ヒューマンリソーステクノロジーの略)」という新技術を提供し、人事・労務の効率化サービスを開始しています。
--☆---★---☆---★---☆---
そもそも人事部はなぜそんなに忙しいのでしょうか。
この問いに対し、ドラッカーは「典型的な人事労務部門の諸活動には一貫性がない」と批判し、「一般的に人材管理とは、労働者とその仕事の管理を意味する」としながらその実態として「安全衛生、年金制度、提案制度、雇用業務、苦情処理など企業にとって付随的な雑用ばかりである」と指摘しています。
これに加え現在では、人手不足による採用コストの増大、働き方改革の進展による労務体系の多様化などが重なり、人事部の業務が多忙になっているものとみられます。
--☆---★---☆---★---☆---
しかしこれまでの人材管理は、単に労働力としての人の管理と言う面から発展した経緯があり、これからの企業は、従業員の人間としての成長やそれに伴う個々の能力の発揮を最大化することにより発展していくということを考えると、「HRテック」を有効活用して、人事部の「働き方改革」を実施することが先決なのかもしれません。
日本経済新聞 8月24日(木)付 朝刊より
https://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ10IEJ_T20C17A8TJ1000/