変わりゆく世に面白く

中小企業診断士。ウエスト・アイ・ランドコンサルティング代表。会社員としてネットショップ支援業務に19年間従事の後山口県萩市へ移住。 地域おこし協力隊として従事しつつ独立。スモールビジネスとは何かを自ら実践しながら追求する。

2017年05月

029

吹田の新スタジアムができて2年目。今年も観戦に行きたいけれどなかなか行けず、ガンバの選手の活躍は、チーム公式アカウントが配信するハイライト映像で我慢しています。このハイライト映像、良くできていてゴールやチャンスシーンがコンパクトに収まっていて、2~3分の短い映像ながら試合の経過が良くわかります。

このハイライト映像の配信は今年から始まったもので、JリーグがDAZNのサービス名で知られるパフォームとの独占放映権契約を結んだのと同時に、アマゾンWebサービス(AWS)のクラウドコンピューティングを活用し、動画の一括配信を行うようになったことから実現したものです。

クラウドコンピューティングというと、複数のコンピュータ上にあるハードウェアやソフトウェアをインターネットを通じて共同利用することで、自社でそれらを保有するよりも安価でサービスを享受でき、中小企業などからもITコストの抑制の目的から注目を集めています。

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クラウドを利用すると具体的にどんなことが出来るのでしょうか。

まず挙げられるのが、データのストレージです。特に動画や画像等のファイルは大きなデータ容量を必要とし、自社のサーバで保有しようとすると大きな設備投資をしなければなりません。クラウドであれば利用料を抑えられ、場合によっては無料でデータを格納することができます。サイボウズやDropBoxといったサービスもストレージ機能を提供するクラウドです。

これまでパソコンで行ってきたような処理もクラウドサービスを利用して行うことが可能です。Jリーグでは、クラウドを利用して動画のフォーマット変換や画質の調整のみならず、冒頭で触れたハイライトシーンの編集も自動処理しているようです。これによりニュース映像などの注文があってから配信までわずか30分で行えるようになったとのことです。
使いやすいサービスでいえば、IFTTT(IF this then thatの略)などがあります。これは複数のWebサービスをあるアクションをきっかけに連動させるWebサービスで、例えばWeatherアプリで雨の予報が出たときに、「雨の日割引」の案内をTwitterで自動的にツイ―トするといったことが可能になります。

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クラウドはこのように大変便利で、安価に利用できるものですが、サービスを外部委託しているということを忘れてはなりません。情報漏えいなど何等かのトラブルがあったとしてもすべてを補償してもらうことは難しいと考えておいた方が賢明です。

こうしたことに留意してうまく活用すれば、Jリーグの動画配信のようにサービスの提供が効率的かつ効果的に行えるようになることでしょう。

日本経済新聞 5月31日(水)付 朝刊より
http://www.nikkei.com/article/DGKKZO17108930R30C17A5UU8000/ 

036

大阪から京都に向かう途中、桂川駅を通過したあたりに自衛隊の駐屯地があります。駅周辺は開発が進んでおりマンションが立ち並ぶ中に迷彩色の車などが並んでいるのは、一見異様なようにも見えますが見慣れてくると不思議とそれが普通になってきます。

先日、安倍首相は憲法9条の第1項2項を残しつつ自衛隊を明記する憲法改正案を提起しました。日本経済新聞が行った世論調査ではこの案に対して、賛成51%、反対36%と賛成が上回る結果となりました。

世論調査では、憲法で自衛隊の存在を明確にした方が良いという意見が多かったという結果になったようです。しかし、そうしたことに関わらず自衛隊は1954年から存在し続けています。憲法改正を考える前にそれはどのような理論によるものかを押さえておく必要がありそうです。

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まず学説ですが、憲法9条1項で自衛権を含めた一切の戦争が放棄されたものとするもの(①)、1項は侵略戦争を放棄したものであって自衛のための戦争は放棄されてないもの(②)に分かれます。①の説をとる場合、自衛隊の存在は違憲となります。②の説をとった場合は第2項で一切の戦力の保持が禁止され(③)自衛隊は違憲であるとする説と、「前項の目的を達するため」という条文から侵略戦争のための戦力の保持が禁止され(④)自衛隊を合憲とするという説があります。

通説は③の理論により自衛隊を意見とする説をとっているようです。

一方、政府の解釈では④の説をとらず、自国を防衛するためにやむを得ず行う一定の実力行使、すなわち「国家固有の自衛権」が憲法に関わらず存在しているとし、自衛権がある以上「自衛のための必要最小限の実力」は「戦力」には該当しないという解釈を用いています。これにより「攻撃的武器の禁止」「集団的自衛権の行使の禁止」「武力行使を伴う自衛隊の海外派遣の禁止」が導かれていたのが以前までの解釈となります。

しかし冷戦の終結後、日本を取り巻く安全保障の状況は大きく変化し、周辺事態への対応、国際貢献への積極的参加が求められるようになり9条改正論が高まってきているのが事実です。

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仮に9条1項2項を残したまま自衛隊の存在を追記した場合に、これまでの政府解釈を引き継ぐとすると国際貢献への積極的参加などに矛盾を生じるため、④の説が取られるのではないかと推察します。
しかし、④の説については「戦力」そのものが侵略戦争のためのものかそうでないものかを区別するのは極めて困難であるという批判があります。

今後、追記される条文がそれをどのように表現するのか、注意深く見ておく必要があるのではないかと思われます。

日本国憲法
第9条第1項 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
第2項 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

日本経済新聞 5月29日(月)付 朝刊より
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS28H2N_Y7A520C1MM8000/ 

019

私も学生の頃、夕方17時~22時までの間でコンビニのアルバイトをしていたことがあります。前の時間は、大概パートの主婦の方が入っており17時で学生の私たちと交代というパターンが多かったように記憶しています。パートの主婦の方は掃除など気が回りお店もすごくきれいな状態で引き継がれました。

大手コンビニチェーンのファミリーマートは、今後2年の間に店舗での主婦の採用を10万人増やす目標を立て、これを達成することにより全体の従業員の半数が主婦になるそうです。人手不足感が強まる中で、主婦の潜在的な働き手を掘り起こすことは有効な手段と考えられ、他のコンビニも追随する可能性も指摘されています。

これだけ多くの主婦が働きに出るようになると、消費へのインパクトも大きくなりそうです。実際どのようなことにお金が使われることになるのでしょうか。

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2013年に電通が平成21年の全国消費実態調査をもとに分析した結果によると、「共働き世帯」は専業主婦の世帯」よりも可処分所得は1.2倍、支出は1.1倍で、消費項目としては「教育」が1.5倍、「調理食品」で1.26倍、「通信」1.18倍、「自動車等関係費」1.15倍、「外食」1.12倍と多くなり、「お酒」も月額にして425円ほど多くなるとされています。

一方、博報堂の「こそだて家族研究所」の2013年の調査によると、「パート・アルバイトママ」はフルタイムママや専業主婦よりも「店舗や街頭で配られるクーポンの利用率」が高いという結果になっており、消費は増えたとしても堅実な態度をとる姿勢が窺えます。

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ファミリーマートでは、主婦の積極的採用を行うにあたり、子どもの教育費の積立制度や通信費の補助、新商品の試食券の配布なども予定しているそうで、電通や博報堂の調査結果からみても理にかなったインセンティブを考案したといえそうです。これから主婦の積極採用を考えている経営者の方は、主婦の気持ちになって採用条件を考えるのがよさそうです。

日本経済新聞 5月25日(木)付 朝刊より
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ24HZZ_U7A520C1TI1000/ 

012

京都はラーメンの激戦区。土地のイメージにそぐわず、私も好きな天下一品をはじめとする濃厚なスープのお店が多いのも特徴です。しかし、安くても一杯700円~800円程度はして、昼食は500円台と決めている私にとってはなかなかハードルが高くなってしまっています。

日本経済新聞社が2016年に行った飲食業調査によると、17年度中に値上げを検討している企業が3割強に上るそうです。ラーメン一蘭では、ラーメンの価格を790円から890円に値上げ、CoCo壱番館ではポークカレーを21円の値上げに踏み切るそうで、国民食のはずのラーメンやカレーがだんだん高級なメニューに変貌しつつあります。

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16年度にもメニュー価格の一部でも上げた企業は44.4%で、その理由としてもっとも多かったのが「食材価格の上昇」。CoCo壱番館の29年2月期決算説明資料によると、トッピング用のチーズやカキフライは原価ダウンしているものの、米の価格高騰の影響が大きく、全体として8,100万円の原価アップになったそうです。

次に多かった理由としては「人件費の上昇」。厚生労働省の平成27年の調査によれば、27年で有効求人倍率1.2倍と平成3年以来の高さとなっており、人手不足の傾向は今も続いているものと思われます。そのためアルバイトの時給を上げて人材を確保する企業も多いようです。

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とはいえ、私のようなしがない消費者からすると値上げはつらいもの。讃岐うどんのようにセルフサービスでも全然苦ではないので、なんとかお値段据え置きでおねがいできたらうれしい限りです。

日本経済新聞 5月24日(水)付 朝刊より
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO16772090U7A520C1TJ2000/

017

5月も半ばを過ぎ、日差しが強くなってきました。日中などは外を出歩くと汗ばんできて、日陰でひとやすみしたくなります。こうしたときに大きな木や建物があるとホッとするものです。しかし、一年中日陰の場所というのは逆に息苦しくて生活がしにくいのではないかと思います。

名古屋では、堅調な需要を背景に高層マンションの建設が盛んになっており、「日照権」をめぐり周辺の住民とのトラブルも多く起きているようです。マンションの高さは、建築基準法や都市計画法で決められており、とくに高層マンションが建設できない都市計画法上の「低層住居専用地域」などが隣接するような場所では、隣接域内にまで日陰が出来てしまいトラブルが起きやすいようです。

では、「日照権」を理由に都市計画法による地域区分が不適格であることを訴えることは出来るのでしょうか。

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「日照権」は、社会の近代化によってもたらされた新しい人権の一つと考えられ、「環境権」の一部であるといえます。日本国憲法においては「環境権」について明文化された条文はなく、13条(幸福追求権)、25条(生存権)によって根拠づけられるというのが通説となっています。

25条(生存権)のような社会権と呼ばれる権利の場合は、「国家による自由」によって保障されると考えられており、国家による国民への積極的な介入が求められます。

しかし今のところ「環境権」の概念、権利の主体などが不明確な点も多く積極的な行政な介入が行われることは期待できず、「日照権」に関しては民法の所有権や不法行為の概念を用いて争われるケースが多いのが実情のようです。

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「環境権」については、憲法で明文化して認めるべきと言う議論もあります。一方でこうした権利が認められることで、都市計画などに制約が生じ経済的な発展が妨げられるとも考えられます。今後、国民の幸福をどのように追及するかによってその答えは変わってきそうです。

朝日新聞 5月20日(土)付 より
http://www.asahi.com/articles/ASK584D4VK58OIPE012.html 

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