かつて街中でメーカーラベルを伏せたコーラを飲み比べて「おいしいのはどっち」と聞くと、必ずそれが「ペプシコーラ」になっているというCMがありました。これはもちろんコカ・コーラを意識したもの。この2つのコーラ合戦のみならず、ペプシコーラを販売するサントリーとコカ・コーラのデッドヒートは今も続いているようです。
そんな競争が激化する中、コカ・コーラブランドの飲料の製造・販売を手掛けるコカ・コーラウエストとコカ・コーライーストジャパンが経営統合へ向け協議を始めると発表したそうです。もともと日本のコカ・コーラ販売網はきめ細かく全国展開を進めるために地域ごとにボトラーを設立していましたが、その後設備や人員の重複を解消するために統合を進めてきました。今回の統合が実現すればその総仕上げとなることになります。
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グローバル企業であるコカ・コーラは、東西グループ合わせて25%強で現在トップシェアを走ります。リーダー企業の戦略をとり続けるためには市場シェアの維持が必要となります。そのため統合を繰り返し規模とコスト優位性を保とうとします。
対してチャレンジャー企業であるサントリーは、黒烏龍茶などの高品質高価格製品の取り扱い、宇宙人ジョーンズなど印象的で積極的な広告宣伝、そして強固流通網の構築などで対抗しています。とくに流通網に関しては、自販機での販売比率の高いコカコーラは消費増税により販売機での定価販売が嫌われているのに対して、酒類やサプリメントの販売で店舗での販売網を持つサントリーが猛追をかけている構図のようです。
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国内の清涼飲料市場は人口の減少に伴い成熟してきており、コカ・コーラとサントリーの2社以外のアサヒ・伊藤園・キリンなども再編が進むのではないかと記事は指摘しています。
売られている清涼飲料はぶっちゃけ中身にさほど差はないとも言えそうですが、やはり選択肢が減ってしまうのはさみしいもの。これからも個性を発揮して競争をつづけてほしいものです。
日本経済新聞 4月27日(水)付 朝刊より
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO00136150W6A420C1TI1000/