変わりゆく世に面白く

中小企業診断士。ウエスト・アイ・ランドコンサルティング代表。会社員としてネットショップ支援業務に19年間従事の後山口県萩市へ移住。 地域おこし協力隊として従事しつつ独立。スモールビジネスとは何かを自ら実践しながら追求する。

2016年01月

一点儿~ちょっとだけ、ちょっと

我学了中文一点儿
中文不是一点儿容易

001

昨年、金沢まで伸びた北陸新幹線。その先のルートは敦賀までは決まっていますが、そこから先は未だ決まっていません。
これまでは、敦賀から南東へ向かい米原で東海道新幹線と合流する「米原ルート」、湖西線沿いを走り京都へ抜ける「湖西ルート」、敦賀よりさらに西の福井県小浜市を通り大阪へ向かう「小浜ルート」の3案がありましたが、26日JR西日本は小浜市から京都を経由して新大阪へ向かう「小浜・京都」ルートを提案、さらには京都府選出の参議院議員、西田昌司氏が掲げる小浜から舞鶴まで行き京都・天王寺を経て関西空港に至る「西田氏案」を含めると5案が乱立する様相を呈してきました。

建設費で見ると米原ルートが最も安く、約5100億円、次いで湖西ルート(約7700億円)の順で西田氏案が最も高いものとなる見込みです。

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企業が投資をするという行為は、将来のキャッシュ・イン・フローを獲得するためにキャッシュ・アウト・フローを経済的資源に投下することに他なりません。キャッシュ・イン・フローの合計がキャッシュ・アウト・フローを上回る場合(つまり、元が取れる状況)でなければ通常、投資を行う判断は下されません。

北陸新幹線の例でいえば、「米原ルート」が最も需要も大きいものと考えられ建設費も安いことからキャッシュ・フローだけで考えればこの案が採用されそうです。しかしこれ以外の案が出てくるのには、東海道新幹線の米原-新大阪間の輸送力が飽和状態であること(もっともリニア新幹線が開通すれば状況は一変しそうですが)のほかにも、地方創生をどう実現するかといった政治的な事情もあるようです。

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鉄道会社も一企業である以上、利益を追求しなければなりません。地方創生も大事だとは思いますが、利益が圧迫されて安全がまたおろそかになる、と言うような事態だけは絶対に避けてほしいものです。

日本経済新聞 1月27日(水)付 朝刊より
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDC26H08_W6A120C1EE8000/


006

子どもの誕生日会、趣味の集まり、ご近所づきあいの懇親会など家庭でケータリング(食事の配膳)サービスを利用する人が増えているそうです。
ホームパーティといえばホストがキッチンで獅子奮迅するか、参加者持ち寄りで開くのが一般的でしたが、そうした手間を省き、かつ外食するよりも安く、手軽にパーティを開けるのが魅力のようです。

記事で紹介されている業者の例では、木箱や陶器に美しく盛り付けられた状態ですぐ食べられる形式のものが多く、見た目にも華やぎを添えてくれます。また、個人宅のキッチンで料理を仕上げレッスン形式のケータリングを展開するところもあるようです。

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コトラーによるとサービス財を含めた商品(製品)は「中核価値」「実体価値」「付随機能」の3層に分解できるとされています。
家庭向けのケータリングサービスでそれぞれを見ていくと

「中核価値」(顧客が求めている本質的な便益)
 ⇒手間なく手軽にパーティを開けること。

「実体価値」(品質、デザインなど実際に触れることのできる実体)
 ⇒温かく、美味しい料理を自宅まで届けること。

「付随機能」(設置、アフターサービス、保障など付随的な価値)
 ⇒木箱や陶器などへの盛り付け、料理のレッスン

と言ったところになるでしょうか。

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ホストのおもてなしの心意気を感じるパーティもいいですが、多くの人が気兼ねなく集まれてみんなが楽しめるパーティなら、仲間の交流も深まるのではないでしょうか。

日本経済新聞 1月26日(火)付 朝刊より
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ18HLB_S6A120C1TI5000/

050

「赤ちゃんの声を音声認識システムで翻訳し、スマートフォンで表示するマイク」「スポーツのフォームを生地のゆがみで認識するシャツ」・・・・これらすべてアメリカで行われた世界最大の家電見本市「CES」で発表されたもの。しかもいずれも日本の大手企業から独立したベンチャーの手によるもの。東芝やシャープといった大手企業が出展を見送る中、彼らは活況を示しています。

こうした家電ベンチャーが活気を得ているのには、ITや協力工場のネットワークを巧みに利用し、自らは設備投資を最小限に抑えて生産までこぎつけることが可能になったことが大きいようです。日本の家電メーカーはこれまで国内の工場での量産による価格競争力で勝負をしてきましたが、最近はアイデア不足などからデジタル製品のコモディティ化を招き苦戦を強いられています。

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近年のマーケティング手法では、消費者のニーズやウォンツに応じた製品企画・製造を行う「消費者志向のマーケティング・コンセプト」が重視されています。コトラーによると、消費者志向のコンセプトにおいては①ニーズの異なる市場からターゲット市場を絞り②ターゲット市場の顧客の視点からニーズをつかみ③関係各所の協力を仰ぎ、統一したコンセプトのもと、マーケティング活動を遂行し④収益を上げる、という4つ段階を経る必要あるとされています。

家電ベンチャーの場合、自ら大きな生産拠点を持たない分、①ニーズの掘り起しや②顧客視点の発想で機動的に活動ができかつ③協力する工場と一体となって生産を行える点において優位性を持ち、当然に④の収益も上げやすいという強みがあるのではないかと思います。

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これまで日本の主要産業であった電機産業も、もう一度視点を変えることによって世界で勝負できる、そんなヒントを与えてくれる事例です。

日本経済新聞 1月25日(月)付 朝刊より
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO96479700T20C16A1TJE000/

007

日本経済新聞社が、資源循環、製品対策、温暖化対策など独自に定めた5つの指標をもとに有力企業の環境経営を評価する「環境経営度」が発表され、製造業の分野では連続首位を獲得したコニカミノルタをはじめ日産自動車、キヤノン、YKKなどが上位に名を連ねました。

各社は、生産工程や作業時間の短縮など工場の稼働自体を抑制するもの、太陽光や風力発電、バイオマス発電など自然エネルギーを利用するもの、省エネ型の生産設備へ投資するもの、など様々な方法で温暖化ガスの排出抑制などの環境対策に取り組んでいます。

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製造業者が生産活動を実施するにあたり重要とされる要素として人(Man)、機械(Machine)、材料(Material)、生産方法(Method)の4つがあり、その頭文字をとり4Mと呼んだりします。

前述の環境対策は、直接的には資源すなわち材料(Material)の面で有効活用をすることにつながるといえますが、生産工程や作業時間の短縮は労働生産性の向上(人(Man)の要素の改善)、操業度(生産方法(Method)の改善)にもつながり、新設備の投入は設備生産性の工場(機械(Machine)の生産力の改善)にも効果があります。

また、温暖化ガスの排出抑制の目標が各企業にも課されるようになった昨今、自社で成功した改善事例を他社に伝授し営業のきっかけに利用する動きもみられ、こうした取り組みが企業の業績向上にも寄与しているといえるようです。

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こうした環境への取り組みに対する競争がもっと大いに盛んになってこそ、企業も成長を続けることができ、真に豊かな未来が築けるといえるのでしょう。

日本経済新聞 1月24日(日)付 朝刊より
http://www.nikkei.com/paper/article/?ng=DGKKASDZ22H6X_S6A120C1TJC000

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