変わりゆく世に面白く

中小企業診断士。ウエスト・アイ・ランドコンサルティング代表。会社員としてネットショップ支援業務に19年間従事の後山口県萩市へ移住。 地域おこし協力隊として従事しつつ独立。スモールビジネスとは何かを自ら実践しながら追求する。

2016年01月

016

そういえば先日、バスに乗った時に妙な違和感を感じました。停留所を知らせる車内アナウンスのイントネーションが微妙に変なのです。そう、これまではスタジオに一日お姉さんが缶詰になって全停留所の名前を読み上げてレコーディングしていたであろう車内アナウンスが、自動音声に取って代わられたのです。

オックスフォード大学のM・オズボーン氏とC・フレイ氏が、ロボットや情報技術の発達により人間の仕事の約半数が置き換えられると論じたことは先日も紹介いたしました。

http://kansailove.blog.jp/archives/1081674.html

これについて、国立情報学研究所教授の新井紀子氏は、「どの知的作業がコンピュータに代替えされるかは、論理的に考えて、代替えされた方が精度が上がるものは人が関与しなくてもよくなる」と述べ、自然科学の知識が重要であるとしています。

一方で、青山学院大学特任教授の猪木武徳氏は「何が自分と人間社会にとって価値あるものなのかを検討し、「権威」に依拠しない自分の考えを正確に豊かに語る能力、説得力のある文章を書く能力を養うことが不可欠」と説き、数学・哲学・言語とともに古典を読む人文学や社会科学の遺産をよく学ぶことの重要性を指摘しています。

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いまや企業経営においてIT技術の導入は不可欠となっております。その目的は、生産現場の生産性の追求にとどまらず、市場の変化への柔軟性の向上、社会的ニーズへの適用性の向上、企業経営の効率性の向上とスピード経営への対応にも利用されています。
そのためにFAやMES、SCMそしてERPと様々な情報システムが導入されるに至っていますが、いずれも最終的には人間がそれらの情報を見て判断をすることには変わりありません。

そこに「自分と人間社会にとって価値あるものが何か」という問いが、必ずついて回ることになります。

もし、その判断をも放棄してしまえば人間は機械によって追放され、機械が人間を支配する世界が待っていることでしょう。

日本経済新聞 1月31日(日)付 朝刊より
http://www.nikkei.com/paper/article/?ng=DGKKZO96737950Q6A130C1MY5000

037

お金を預ければ、預けるほどお金が減ってしまう。そんな前代未聞の銀行口座が誕生しました。でも安心してください。銀行が使う日本銀行内の当座預金だけに限った話。われわれが預けている銀行口座では適用されないようです。

政府は物価2%上昇を目標を達成するために、企業が投資を増やし国民の所得が増加するように金融緩和政策を進め、市中に出回るお金の量をどんどん増やす政策をとってきました。ところがこのところの原油安や中国の経済不安に端を発し、企業や家計の心理が悪化することを懸念し、遂に前述のウルトラC的な「マイナス金利」という政策をとるに至りました。

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日銀が、市中に出回るお金の量を増やそうとする場合には、金利を下げるほかに、銀行に利用させる当座預金の金額を増加させる、市場にある国債などを買い集めるといった方法があります。これを量的緩和と呼びますが、市場に出回る国債が減りこの手法に限界が来るのではという見方が出てきており、これを払しょくする意味もあり再び利下げに踏み切ったようです。

しかし、こうした金融政策は、利子率を下げても投資がそれほど増えるわけでもない状況では効果が薄いとされています。そのような状況にある現在、金利も「マイナス」にまで下げなければならないところまで追いつめられているとも言えそうです。

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このマイナス金利には、銀行の収益力が落ち、リスクの大きい中小企業向けの融資などが抑えられるという副作用も考えられると指摘されています。
日本経済が本当に力強さを取り戻すまでにはまだまだ厳しい道のりが待っているようです。

日本経済新聞 1月30日(土)付 朝刊より
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGF29H1C_Z20C16A1MM8000/

的じゃなくて地

 副詞と動詞をつなぐときは「地」を使う。

他流利的说汉语
她巧妙的唱京剧 

087

実は私、友達が少ないのでLINEと言うものをやっていません(泣)。と、いうか「既読スルー」とかされたら傷ついて死んでしまいます。だからやりません。
そんな人間が増えている、と言うわけではないと思いますが、飛ぶ鳥を落とす勢いで会員を増やしてきたLINEの利用者数の伸びが鈍化しているのだそうです。

大きな要因は欧米などアジア以外での苦戦。Facebookなどが同様の対話型アプリをリリースし差別化を図れなくなったのが響いているようです。
LINEはかねてより「世界一の対話アプリ」を目指すとして、無料通話で会員を獲得し、スタンプやゲームといった有料課金のサービスで収益を上げるというビジネスモデルを貫いてきました。
が、欧米などで知名度を上げるために大々的に広告を打ち販売促進を進めるまでの資金も得られておらず「世界一」戦略は見直しを迫られているようです。

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ミクロ経済学の一分野の「産業組織論」の考え方でSPCパラダイムと言うものがあります。SPCパラダイムでは、市場構造(market Structure)が市場(market Conduct)を決め、市場が市場成果(market Performance)を決めるという考え方をとります。仮に市場構造で「独占」または「寡占」の状態を得る事が出来ればその企業は、自らの生産物の価格を操作できる「プライスメーカー」としてふるまうことができ、高い収益を上げることが可能となります。

LINEの「世界一」戦略はまさにこの「プライスメーカー」になることを目指すことに目的があるものと思われます。

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仮に市場が独占状態になれば、消費者はそのサービスを得るための選択肢は存在しなくなります。タダほど高いものはないとは正にこのこと。だから私はLINEをやらないのです。・・・と、負け惜しみを言ってみる。

日本経済新聞 1月29日(金)付 朝刊より
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ28HYU_Y6A120C1TI1000/

048

静岡県の子供用家具会社「えて」は保育園を訪れて、園児たちに板から木箱を作るワークショップを実施しているそうです。子どもたちがトンカチをもって木をたたき、蝶番をつけるのには電動ドライバーを使うなど本格的な工作をやるとのこと。

「危ないからやらせない」
小学校に入る前の子どもに対してだったらふつうそう考えるかもしれません。
しかし社長は「やってみたいという子どもたちの好奇心と達成感を大事にしたい」と言って、危険を防ぎながらも子ども達のチャレンジ精神を育むようにしているようです。

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職場においても後輩たちが入ってきて教える立場に立たされたとき、最初はなかなか仕事を任せる事が出来ないものですが、思い切って自由にやらせてみるとみるみるやる気を出して期待以上の成果を上げてくれる、なんて経験をした方も多いのではないかと思います。

ハーズバーグは仕事に対するモチベーションを高めるには、個人の心理的成長と自己実現欲求を満たす「動機づけ要因」が重要であると説きます。「動機づけ要因」は、職務の範囲を広げる「職務拡大」と、職務により多くの権限を与え自主性を高める「職務充実」により高まるとされています。

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このワークショップをうけた子供たちは、こうして幼い時から「動機づけ」がされたことで、自ら考えて動くことのできる心強い人間になっていくのではないかと思います。

日本経済新聞 1月28日(木)付 朝刊より
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO96623530Y6A120C1MM8000/

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