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かつてパソコンからデータを引き出そうとするならば、フロッピーディスクなるものを使っていました。しかも容量はたったの数MB。デジカメ写真の1枚も入れられません。ところが今や財布にすら入るUSBメモリでギガ単位のデータをやり取りできます。これも半導体技術の発展のおかげです。

台湾の半導体メモリDRAMで世界4位の南亜科技は、5~6年前まで5大顧客が出荷量の8~9割を占め価格も安定しない状況でしたが、今では600社に取引先を広げ業績を回復させているそうです。DRAMの市場は92%が上位3社で占められ寡占市場となっており、同社は新興国向けのネット家電・自動車業界の伸びに乗じて、細かい摺合せを強みとして取引先を拡大させたようです。

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同社は、いわば大手3社に対して「ニッチャー」の戦略で対抗したといえますが、今後もこの戦略を続けていくことは出来るのでしょうか。「ニッチャー」の戦略をとる場合、市場が拡大して大手が参入してしまうとその地位が危うくなります。「ニッチャー」には、参入できない市場を選びかつそこで圧倒的な優位性を築いていくことが求められます。

2017年WSTSの発表によると半導体メモリの市場は前年比30.4%の伸びを示したそうです。主な要因はスマホの高度化、フラッシュメモリーへの転換など同社が開拓した市場とは違うようですが、新興国の技術革新が進めばこの市場にも大手が入り込んでくる可能性は大いにあります。

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巨大な企業に対抗するというのはやはりそう簡単なことではないようです。これから個の力が求められる世が来るといわれていますが、どんなに小さなことでも誰にも負けない力を蓄えておくことが求められるのかもしれません。

日本経済新聞 8月4日(金)付 朝刊より
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO19629950T00C17A8FFE000/