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10年ほど前の中国の成長は著しく、失われた20年と言われて低迷を余儀なくされていた日本では、中国の勤勉さやハングリー精神を見習うべきとまでいわれ、私も会議室で中国の生産現場のビデオを見せられたことがあります。しかし、その急成長の勢いも以前ほどではなくなり世界経済の先行き不透明感を助長しています。

そんな中でも、工作機械の中国向け輸出が14か月ぶりにプラスに転じ、輸出・国内合わせた受注金額が2カ月連続で前年同期比を上回ったそうです。機械受注は、景気動向の先行きを表す先行指数であるといわれ、今後の見通しに薄日が差しているといえそうです。

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とはいえ、前述のとおり中国の経済成長率は2011年第2四半期以後一けた台の成長にとどまっており、2000年代に見せた急激な経済成長を取り戻すとは考えにくいように思えます。

一方、国内においても法人企業統計調査年報によれば、大企業、中小企業ともリーマンショック後の2009年第4四半期以後、経常利益は伸び続ける傾向にあるものの、設備投資の額は横ばいのままとなっています。

逆に言うと、上げてきた利益を元手にそろそろ設備投資を伸ばしてもよい時期と言えるのかもしれません。

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工作機械の国内の受注状況は、補助金待ちなどの影響で1月度は前年比割れをしているものの、自動車や半導体関係の需要は堅調とのこと。今後、生産した自動車や電子機器の売れ行きが良くなれば景気も回復するかもしれません。

そういえば私もそろそろ新しいノートパソコンがほしくなってきた頃です。

日本経済新聞 2月17日(金)付 朝刊より
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ16HWR_W7A210C1TI1000/