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ここ数日の大阪は春の到来かと思われるほどの暖かさですが、つい2週間ほど前は結構な雪が積もりました。めったに通らない雪道で悪戦苦闘する人も多く、自転車がスリップして転倒するなどの光景も見られました。北海道などの寒冷地ではこんな日でもふつうに自動車を運転したりするのですから不思議なものです。

寒冷地の方々が雪道でも自動車を運転できるのは、スタッドレスタイヤなど自動車自体が寒冷地仕様になっているというのもあるようです。近年急速に普及し始めている電気自動車でも寒冷地仕様のものが開発されていっているようで、今日の日経には北海道の中小企業8社などでつくるプロジェクトチームが、トヨタ車体の超小型電気自動車「コムス」を寒冷地仕様に改造して販売を開始するというニュースが載っていました。

しかし、自動車を改造するだけでビジネスになるものなのでしょうか。大阪では個人で改造したと思われるやんちゃな車を見ることは珍しくありません。

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改造といってもやはり販売する以上は、仕向け地(この例では寒冷地)を考慮した機能、性能、耐久・信頼性、保全性、安全性を考慮した設計をしなければなりません。たとえば雪道でスリップして大事故になるといった事を防ぐために高トルクの駆動装置を設置するといった機能設計。あるいは、低温環境でもバッテリーが正常に作動するか、逆に快適性を保つシートヒーターを設置することで他のユニットが誤作動が起きないかといった耐久・信頼性に基づく設計が求められます。

これらをクリアするためにモジュール別、ユニット別、システム別のテストが繰り返され、すべての信頼性目標が達成されてはじめて製品としての完成を見ることになります。

したがってこうした設計には多くのノウハウと努力が必要となるわけで、簡単にまねできるものではありません。

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逆に言うと汎用的に普及しているようなものでも、地域特有の気候や特殊な事情に即して徹底的にカスタマイズするということは、模倣困難性を生み、ニッチな市場の中で強い地位を築くことにもなるといえます。

日本経済新聞 1月30日(月)付 朝刊より
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO12271050Y7A120C1TJE000/