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私が大阪に来た当初、天王寺公園ではブルーシートのテントが張られ、「一曲100円」という看板が置かれたカラオケ屋らしいものが繰り広げられていました。しかし、2003年にこれらのカラオケ屋に対し大阪市は不法な営業行為として強制退去を命じ今は一切見られなくなりました。

米ハーバード大学のマイケル・ポーター教授は「企業の勝手な振る舞いが社会問題や環境問題の現況という認識がじわりと広がっている」と指摘。昨年は日本国内でも、三菱自動車の燃費性能偽装、ディー・エヌ・エーのまとめサイトでの不法行為を助長するような情報提供がなされるなど企業不祥事が相次ぎました。

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こうした企業な勝手な振る舞いに対して、政府はもっと規制を強めるべきであるという意見もあるかもしれません。しかし、規制を強めるということは企業や国民の経済的自由権を妨げることになり、国民の幸福・社会の発展を保障するという観点から慎重になる必要があります。

日本における違憲審査においては、「国民の幸福・社会の発展を保障」するという名目で敷かれる規制については消極的目的規制と呼ばれ、より厳格な合理性の基準をもって判断をするべきと言うのが通説となっています。「国民の幸福・社会の発展を保障」という名目の規制に関しては批判の余地が少なく、ある特定の受益者を優遇するような規制がなされたとしても対抗する手段に乏しいためです。

たとえば、ある燃費性能基準を満たした車以外は販売してはいけないというような規制がかかるとすると、それが参入障壁となり、燃費以外にデザインや操作性に強みを持つような自動車メーカーの発展を阻害することになり、結果的に国内自動車メーカーの競争力を衰えさせてしまうことにもなりかねません。

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この日経の社説においては、企業と社会の利益のベクトルを一致させ、企業の社会貢献目標が企業に対する支持理由となって利益につながるような事業構造をとるべきであるとしています。たとえば、日産自動車ではブレーキ性能の向上のために自社製品による重大事故件数の減少を目標としており、これは高齢化を背景に安全にはお金を払うというニーズに合致し企業利益にもつながるとしています。

こうした取り組みに対するインセンティブを企業にもたせるためには、消費者の方も社会的責任を負っている会社を積極的に支持する姿勢が必要になってくるのではないかと思われます。

日本国憲法(経済的自由権)
第22条1項 何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転および職業選択の自由を有する。
第29条1項 財産権は、これを侵してはならない。
  第2項 財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。
  第3項 私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。

日本経済新聞 1月8日(日)付 朝刊より
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO11453160Y7A100C1PE8000/