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若いということは強みである。なぜなら、いくらでもやり直しがきくから―
しかし、スタンフォード大学の心理学者、ドゥエックはこんな言葉を残しています。「私は人間を弱者と強者、成功者と失敗者には分けない。学ぼうとする人としない人に分ける。」
失敗しても、学びなおして何度でも挑戦することができる、そう考えるならば「若さ」とは年齢的に若いということではなく学ぶか学ばないかによって分けられるのではないかと思います。

慶応大学3年生の青木大和さんは2014年に「小学4年生の中村」をかたり政治批判をし、ネット上で炎上を被るという経験をしました。一時期は叩かれる恐怖にさいなまれ家に引きこもる日々もあったものの、「物言えぬ社会は嫌」「未来を担う若い世代が活躍できる社会をつくりたい」という思いからアオイエホールディングスを設立。仲間たちと北海道新得町へ移住し、企業や自治体のデザイン請負やゲストハウス運営、サッカー教育などを実施するそうです。

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「小学生中村」をかたったときは「問題提起のつもり」「打ち上げ花火のようにパッと社会を変えられると調子に乗っていた」と自ら省みています。今回は移住にあたって町役場への質問事項を整理するにあたっても「僕らに何を期待しているのか。需要をおさえてやらないと」と求められているものを慎重に見極めようとしているようです。

彼らが北の地で成功を収められるかどうかは、地域との対話による「協調学習」にかかっているといえそうです。すなわち「打ち上げ花火」のような一方的な批判ではなく、地域が求めるものと自らのやりたいものをいかにぶつけ合わせ新たな価値を生み出していけるかどうかと言うことに。

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受け入れる同町も、どう生計を立てるのか、町に定住する覚悟はあるのかなど疑問はつきないものの、「優秀な若者が移住してくれるのはありがたい」と応援する姿勢を見せています。アオイエの理念にもある「地方の新しい未来を描く」ための「それぞれの価値観をぶつけ合える場」を提供する懐の深さも、こうした志ある若者を呼び込むために必要であると思われます。

日本経済新聞 1月6日(金)付 朝刊より
http://www.nikkei.com/article/DGKKZO11373470W7A100C1CC1000/